ROSC後にAEDモードがショックを指示したケース

 「AEDは反応ない、無呼吸で循環のサインのない患者のみに使用すべき」

AHA心肺蘇生と緊急心血管治療のための国際ガイドライン2000、p74に記載があります。

さて先日、このような貴重な体験を伺いました。

 

呼吸困難の患者さん、モニターⅡ・Ⅲ誘導にてSTEMIのようでした。低酸素もあったと思いますが、急激に徐脈から徐拍性のPEAに。CPRしながら、VFにも備えて、AEDパッド装着していきますよね。結果CPRとアドレナリン2回にてROSCしました。モニター付きAEDで、目視で、WideQRSのHR150程度であったと思います。脚ブロックのような上室性の速いHRだったか?

収縮期血圧は130程度で、はっきりとした脈拍の触知は可能でした。AEDは装着していますので、解析を2分毎に自動で繰り返していますが、AEDはショックを指示してきます。そのまましておおくと、ショック指示はリセットされますが、2分後に再度解析、再度ショックを指示してきます。勿論ショックはしません。

 

「AEDは同期通電するようになっていないが、すべてのAEDはレートが前もって、セットされた値をかなり上回るとVTにも通電できる」また、「心室・上室性不整脈で反応のある例でももれに通電の報告がある。これらは操作者のエラーであり、器械のエラーではない。このようなエラーは救助者の訓練、患者の評価を正しく行うことで、予防できる。」一部抜粋して記載。

 AED装着する際は、「反応がなく生命兆候のサインがない傷病者に装着すべき」といことを改めて実感した症例でした。ここでいう生命兆候のサインとは

市民:反応がなく、異常な呼吸/呼吸がない

医療者:反応がなく、異常な呼吸/呼吸がない・脈拍がない

AEDモードで、現場に出る救急隊の方々はこのような経験は多いと思いますが、実際はいかがでしょうか。