BLS-related Tips!!
BLS-related Tips!!
データと教育で切り拓くヘルスケアの未来
ここではBLSコースでは触れる、触れない(学習者のフィールドによって左右)、ちょっとマニアック、でも大事そうなTipsを整理しております。もう少し理解を深めたい「あなた」に役に立つかも、いやどうか分かりません。
2025年2月17日
院内で心肺停止、心肺蘇生といえば、写真のような状況に頻繁に遭遇することが多いと思います。気管挿管後に、蘇生を継続することもあります。BLSコースで学習した2人法CPRでは30:2でした。この場合は、どうなりますか?そう!非同期CPRになります。
胸骨圧迫と人工呼吸の関係
胸骨圧迫は休みなく継続して行います。30回ごとの休止は不要となります。人工呼吸は6秒に1回のペースで実施します。
中断時間の最小化
非同期CPRの最大の利点は、30:2のCPRと比べ、胸骨圧迫の中断時間を0にできることです。これにより、脳への持続的な血流供給が可能となります。
注意点:換気の方は過換気にならないように注意です。過換気になれば胸腔内圧も上昇し、灌流を阻害するだけでなく、胸郭が大きく動き、圧迫すら阻害されるものです(胸郭が膨らむので、圧迫が押し返されるイメージ)。
2、圧迫の中断は最小限が良い!であれば30:2で圧迫と換気を区別しない方が良いのでは?
圧迫する際、肺も押すことになるので、肺からの空気が気道から排出されます。圧迫の最中に2回の換気を送気すると、肺から押し出された空気と人工呼吸の換気が衝突し、食道→胃へとフローが変わり、胃膨満のリスクにもなるためです。よって気管挿管など完全に気管と食道が分離できない状況では、30回圧迫、2回の人工呼吸を継続します(同期CPR)。